古屋英治先生最終講義を開催


2019年3月11日に東洋医学臨床研究所の所長・古屋英治先生の最終講義が主婦会館プラザエフで開催されました。
呉竹学園の学生、卒業生、教職員、古屋先生を慕う方々など約100名が集まり、最終講義を聴講しました。

古屋先生は、呉竹学園に入職以来40年余りかけて実証してきた鍼治療のエビデンス(研究で示された科学的根拠)について、ひとつひとつわかりやすく解説してくれました。はじめは、実験室での円皮鍼の効果について、疲労からの回復や運動部の血流改善に効果があることを実験結果を示して説明してくれました。続いて、その結果をスポーツ現場で応用的に活用し、スポーツ選手に対しても鍼治療が効果のあったことを示してくれました。
一方で、鍼治療による有害事象の報告も挙げて、治療で注意すべき場面をご指摘いただきました。
さらに、このような学際的な取り組みから、大学、学会、競技団体、省庁との結び付きが生まれてきたそうです。

最終講義の後半は、鍼治療についてのエビデンスを求める姿勢は維持しつつも、東洋医学を生理学的に解釈するという古屋先生の第二のライフワークについて、科学的見地をベースにした古屋先生の解釈について解説を加えていただきました。
鍼治療による自律神経、情動、エネルギー供給系への影響について、エビデンスを基にどのように考えられるかをお話いただきました。

さらに、今後の鍼治療についてのご提言もいただきました。
この20-30年あまり医療ではエビデンスが求められるようになってきました。ともすると、エビデンスがないと医療ではないといわれるほどに、その重要性が主張されるようになってきました。鍼治療でもエビデンスのさらなる構築が求められていますし、今後も求められていくでしょう。一方で、臨床においては、エビデンスに基づいた医療と患者の目線に立った医療との融合こそが求められていくのではないか。エビデンスに立脚しつつも、患者の語る病歴を忘れてはいけない。そのような視点に立って東洋医学の本質とされる未病治(まだ病気でない状態を治して病気にしない)を実践していくことが、今後求められていくのではないか、というお話でした。
最後には、古典『黄帝内経』から、未病治に関する2文を抜粋して、養生のための、スポーツでいえばコンディショニングのための、鍼治療を実践していくよう力強い言葉でまとめられました。

古屋先生は今年度でご退職されますが、来年度も非常勤講師として引き続き学生の指導に当たられるとのことです。
まだまだ古屋先生からお教えいただけることは多そうです。


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